クリスマス便 提出SS

(場所借ります。すいませんー)




―クリスマスに贈るもので一番無難な物はなんだ?
――そんなもんわかったら苦労はしない


影法師は悩んでいた。
自分が吏族であることも、寝るのも忘れて悩んでいた。
まあ忘れてなくても最近仕事らしいことはやってないし、寝ないのは単に自分のミスを引き摺りまくってるからなのだが。
とまれ、探しに言った挙句見つけられないと言う大ポカをやらかしておいて、アララ・クランに贈るクリスマスプレゼントを今考えている。
ってかどこにいるのかわからん相手でも贈れるのか。それならむしろ自分も連れてってくれと思わなくもないが、それは流石にキツイ。

他人が同じことで悩んでいたら迷わず「自分にリボン巻いてレッツゴー」を推すところだが、そんな自虐ネタを自分でやるほど影法師はチャレンジャーではなかった。

ではどうするか、ということで悩んでいる。

まずぱっと思いつくのはケーキやクッキーなどの食べ物なのだが……。

「ダメだ。気持ちが籠もってることが大事ってのが基本事項なのはわかるけど。
 冷静に考えて致命傷を与えるようなものに気持ちもへったくれもない気がする」

3秒で自沈。
影法師の調理スキルは市販の素を使った炒飯で失敗するレベルである。
それがケーキやらクッキーやらに挑戦した日には、大惨事の未来しか予測できない。
……うん。化学兵器をプレゼントするのは流石に問題ありだろう。おまけとして市販のケーキぐらいは付けてもバチ当たらないかもしれないが。
とりあえず次、次。

定番その2、髪飾り等のアクセサリはどうだろう。

「俺技族じゃないから料理より無理」

影法師、考えた瞬間自分の不器用さを思い出して崩れた。
血涙を流し始める。切実だった。
製図なら出来るんだが、それでまともにアクセサリを描き起こす自信もない。
購入すればいいんじゃね?とも思ったが、よく考えればちょっと重い気がするので自粛。ただしいつか渡せればいいなとは胸に抱いておく。うん。
ということで他、他。

ならば服でどうだ。

「さ、サイズがわからない……」

致命的だった。
いや大きくても小さくても関係なくセクシーに着こなす気がしないまでもないが、それはそれでなんかヤダ。
セクシーなのが嫌と言うわけではなくむしろそれを他人が見ると言うのが以下略
まあなんというか。とにかくこれはダメ。絶対。


それならば、変化球で風景の写真。
なんか違う気がするのでボツ。

肩叩き権。
んなもん渡さなくても頼まれれば大抵の言うことは聞いてしまうのでボツ。

服から派生させて靴。
やっぱりサイズがわからない。ボツ

マフラーやらセーターやら防寒具。
時期も時期だし。暑さには脱いだりで対応出来るけど寒さには……。うん、これ決定。

いつでもどこでも戦えるインスタントな敵。
そんなもの渡したら俺の胃が持ちそうにないのでボツ。

一日なんでも言うことを聞く権。
肩叩き権と同じくいつでも以下略

宝石。
なんか重い上にお金なイメージが強すぎるんでボツ。

花束。
な、なにかと一緒に添える感じならいいよな。な?

ハムの詰め合わせ。
なんか違うだろ、これ。

………………。
…………。
……。


「よし。これで行こう」

その辺の白紙にマフラー編む毛糸、できるだけ小さい鉢に入ったパンジー、イチゴのショートケーキと走り書きして机に倒れこむ。
ヨーロッパではパンジーを愛する人に贈る風習が古くからあるらしい。
花言葉とも合わせて、結構最後の最後まで悩んだのは内緒だ。

(任務完了……。届くといいな。お願いだから)

慣れないことはあんまりやるもんじゃないな、とつくづく思いながら影法師は意識を失った。


と言うことで贈るもの。
・マフラー(手編み)
・パンジー一鉢
・イチゴのショートケーキ

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